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南アメリカ州 と オセアニア州 は、 1 つ の 章 で あつかい ます が、 それぞれ に 大き な 個性 を 持つ 地域 です。 南アメリカ は、 世界最大 の 熱帯雨林アマゾン と、 南北 に 走る 高 い 山脈アンデス山脈 が 主役 の 大陸。 オセアニア は、 オーストラリア と いう 大陸国家 と、 太平洋 に 散らばる 数多 く の 島々 で 成り 立って います。
両地域 に 共通 する の は、 ヨーロッパ から の 入植 を 受け、 もとも と 暮らして いた 先住民 (南米 の インディオ、 オーストラリア の アボリジニ、 ニュージーランド の マオリ) が 大きな 影響 を 受けた 歴史 です。 そして 今 は、 鉱産資源 や 農産物 で 世界 と つながり、 アジア・太平洋経済圏 の 一員 と して 重要 な 役割 を 果たして います。
ポイント: 「南半球」 「広大 な 自然」 「先住民 と 移民」 「資源 と 一次産業」 の 4 つ の キーワード で、 南米 と オセアニア は 多 く の 共通点 を 持ち ます。 6 章 で 学んだ 北アメリカ州 と 比較 し ながら 読む と、 南北 アメリカ の ちがい も 見え て きます。
南アメリカ大陸 は、 北 は 赤道 を こえて 北半球 に 少し かかり、 南 は 南緯 55 度 ほど まで 細長 く のびる 大陸 です。 西側 に は 高 い 山脈 が、 東側 に は 大平原 と 高原 が 広がる 「東西 で 性格 が ちがう」 大陸 です。
太平洋沿い を 南北 に 約 7,500 キロメートル に わたり 走る の が アンデス山脈 です。 6,000 メートル を こえる 山々 が 連なり、 北アメリカ の ロッキー山脈 と 同じ く 環太平洋造山帯 の 一部 で、 火山 や 地震 が 多 い 地域 です。 アンデス の 高地 で は 標高 4,000 メートル を こえる 場所 にも 街 が あり、 ペルー の クスコ や ボリビア の ラパス な ど が 知ら れて います。
赤道直下 を 中心 に 広がる の が、 世界最大 の 流域面積 を 持つ アマゾン川 と、 その 流域 の アマゾン熱帯雨林 です。 流域面積 は 約 700 万平方キロメートル で、 日本 の 国土 (約 38 万平方キロメートル) の 約 18 倍 ほど。 多様 な 動植物 が 生息 し、 「地球 の 肺」 と 表現 さ れる こと も あります。
アマゾン の 南 に は ブラジル高原 が 広がり、 さらに 南 の アルゼンチン に は パンパ と 呼ば れる 温帯草原 が あります。 パンパ は 小麦 や 大豆 の 栽培、 牛 の 放牧 が さかん で、 アルゼンチン 経済 を 支えて います。
| 地域 | 気候帯 | 特徴 |
|---|---|---|
| アマゾン 流域 | 熱帯雨林 | 年中高温多雨 |
| ブラジル 高原 | サバナ | 雨季・乾季 が ある |
| アルゼンチン パンパ | 温帯 | 小麦・牛 |
| アンデス 高地 | 高山気候 | 標高 で 気温 が 変わる |
| パタゴニア (南端) | 寒帯・冷帯 | 強風 と 氷河 |
大事: 南米 の 自然 は 「西 = アンデス、 北 = アマゾン、 南 = パンパ」 と 整理 する と わかり やすい です。
南アメリカ州 で 最大 の 国 が ブラジル です。 面積 は 約 851 万平方キロメートル (世界第 5 位)、 人口 は 約 2 億 1,000 万人。 ポルトガル語 を 話す 国 と して 知ら れます。
ブラジル は、 長 ら く 世界最大 の コーヒー 生産国 として 知ら れて きました。 一つ の 作物 に 経済 が 依存 する 状態 を モノカルチャー と 言い、 価格 の 上下 で 国 の 経済 が 大きく ゆれて しまう 弱点 が あります。
近年 は 大豆、 さとうきび (バイオエタノール の 原料)、 とうもろこし、 オレンジ な ど へ と 作物 が 多様化 し、 巨大 な 農業国 へ と 変身 しました。 アマゾン 周辺 の 開発 も 進み、 大豆 や 牛 の 放牧地 が 広がって います。
南米 は 鉱産資源 の 宝庫 です。 ブラジル の 鉄鉱石 (世界有数 の 産出)、 チリ・ペルー の 銅、 ベネズエラ の 原油 な ど が 代表的 です。 これら は 中国・日本 な ど アジア の 国々 へ も 大量 に 輸出 さ れて います。
ブラジル は、 自動車・航空機 (エンブラエル社)・鉄鋼 な ど の 工業 も 発展 し、 ロシア・インド・中国・南アフリカ と とも に BRICS と 呼ば れる 新興経済国 の 一員 と なって います。
サンパウロ や リオデジャネイロ な ど 大都市 へ の 人口集中 が 進み、 都市部 に は ファベーラ と 呼ば れる 貧困層 が 暮らす 地区 (スラム) が 形成 さ れて います。 都市 と 農村、 富裕層 と 貧困層 の 格差 が 大き い の が 課題 です。
ポイント: ブラジル は 「コーヒー だけ の 国」 で は な く、 大豆・鉄鉱石・工業 と 多角化 を 進めた 結果、 BRICS の 一員 と 呼ば れる ほど に 経済 を 成長 さ せました。
オセアニア州 は、 オーストラリア 大陸、 ニュージーランド、 そして 太平洋 に 散らばる メラネシア・ミクロネシア・ポリネシア と いう 3 つ の 島嶼 (とう しょ) 地域 から 成り 立って います。
オーストラリア は、 6 大陸 の 中 で 最 も 小さく、 1 つ の 国 で 大陸 を 占める 唯一 の 国 です。 面積 は 約 770 万平方キロメートル で、 日本 の 約 20 倍。 国土 の 大部分 は 内陸 の グレートビクトリア砂漠 な ど の 乾燥地 で、 人口 は 沿岸部 (シドニー・メルボルン・ブリスベン・パース) に 集中 して います。
ニュージーランド は、 北島 と 南島 の 2 つ の 主要 な 島 から なる 国。 環太平洋造山帯 に 属し、 火山 と 地震 が 多 く、 温暖 で 湿潤 な 気候 を 生かした 牧羊・酪農 が さかん です。
| 区分 | 意味 | おも な 国・地域 |
|---|---|---|
| メラネシア | 「黒 い 島々」 | パプアニューギニア・フィジー |
| ミクロネシア | 「小さな 島々」 | パラオ・ミクロネシア連邦 |
| ポリネシア | 「多 く の 島々」 | サモア・トンガ・ハワイ・ニュージーランド |
これら の 島々 は サンゴ礁 や 火山 で 形 づく ら れ、 美しい 海 と 文化 で 知ら れます が、 海面上昇 の 影響 を 受けやすい こと が 大き な 課題 と なって います。
大事: オセアニア = 「オーストラリア + ニュージーランド + 太平洋 の 島々」 と いう 構成 を まず 押さえる こと が 大切 です。
オーストラリア の 産業 は、 「牧畜・農業 + 鉱業 + サービス業」 と いう 構成 が 大きな 特色 です。 人口 は 約 2,600 万人 ほど で、 国 と して は 大きく ありません が、 1 人 あたり の 産出 は 高 い 水準 に あります。
降水量 の 少ない 内陸 で は 牧羊 ( 羊 の 飼育) が 中心 で、 羊毛 と 羊肉 を 生産 します。 内陸 の 大牧場 を グレートアーテジアン盆地 と いう 地下水 が 支えて います。 沿岸部 で は 牛 の 放牧 が さかん で、 牛肉 は 日本 を はじめ アジア に 輸出 さ れて います。
南西部・南東部 で は 小麦 の 栽培 が さかん。 西部 で は 鉄鉱石、 東部 で は 石炭 の 産出 が 多 く、 これら の 鉱産資源 を 大量 に 中国 や 日本 へ 輸出 して います。 オーストラリア の 経済 を 支える 大き な 柱 が、 この 資源輸出 です。
20 世紀中 ごろ まで、 オーストラリア は ヨーロッパ 系以外 の 移民 を 制限 する 白豪主義 と いう 政策 を とって いました。 しかし、 1970 年代 に この 政策 を 廃止 し、 アジア や 太平洋 の 国々 から の 移民 も 受け 入れる 多文化主義 に 大きく 方針 を 転換 しました。 現在、 シドニー や メルボルン に は 中国系・ベトナム 系・インド 系 な ど の コミュニティ が 大きく 育って います。
オーストラリア の 先住民 を アボリジニ と 言います。 ヨーロッパ 人 の 入植後、 土地 を 奪わ れ、 子供 を 強制的 に 引き 離 さ れる な ど の 厳し い 歴史 を 経験 しました。 1990 年代以降、 政府 は 過去 の 過ち を 公式 に 謝罪 し、 アボリジニ の 文化 と 言語 を 守る 取り組み が 進めら れて います。 ニュージーランド の 先住民 マオリ に つい ても、 同様 の 和解 の 動き が あります。
ポイント: オーストラリア が 「ヨーロッパ の 国」 から 「アジア・太平洋 の 一員」 へ と 自分 を 位置 づけ 直 した 歴史 は、 国家 の 大き な 方針転換 の 一例 です。
南アメリカ州 と オセアニア州 は、 太平洋 を はさん で アジア や 北米 と 結 ばれ、 経済 の つながり が 年々強 ま って います。
太平洋 を 取り 囲む 国々 が 経済 の 自由化 と 協力 を 進める 枠組み が APEC (Asia-Pacific Economic Cooperation) です。 アジア (日本・中国・韓国・東南アジア)、 北米 (アメリカ・カナダ・メキシコ)、 南米 (チリ・ペルー)、 オセアニア (オーストラリア・ニュージーランド・パプアニューギニア) な ど 21 の 国・地域 が 参加 して います。
オーストラリア・ブラジル・チリ な ど の 鉱産資源 や 農産物 は、 中国 へ の 輸出 が 大きな 比重 を 占めて います。 中国 の 経済 が 上下 する と、 これら の 国 の 経済 も 影響 を 受ける 関係 に あります。
日本 にとって も、 オーストラリア・ブラジル は 鉄鉱石・石炭・大豆 な ど の 重要 な 輸入相手国 です。 また、 オーストラリア に は 多 く の 日本企業 が 進出 し、 学校 で 日本語 を 教える 取り組み も 行わ れて います。
アマゾン の 森林伐採、 太平洋 の 島々 の 海面上昇、 サンゴ礁 の 白化 な ど、 両地域 は 地球規模 の 環境問題 と 直面 して います。 この ため、 国際的 な 協力 と 持続可能 な 開発 が 強 く 求めら れて います。
大事: 南米・オセアニア は 「遠 い 地域」 で は な く、 太平洋 を 通じて 日本 と 直接結 ば れて いる 大切 な パートナー です。
南米 の インディオ (先住民)、 オーストラリア の アボリジニ、 ニュージーランド の マオリ な ど の 先住民 は、 ヨーロッパ 人 の 入植以前 から その 土地 で 文化 を 育み、 自然 と とも に 暮らして きた 人々 です。 学習 する とき に、 つぎ の 点 を 心 に 留めて おきましょう。
地理 を 学ぶ こと は、 同時 に 「ちがう 文化 を どう 尊重 する か」 を 学ぶ こと でも あります。 偏見 や 上下関係 で は な く、 対等 な 文化 と して 学ぶ 姿勢 を 持ち ましょう。