春望は、杜甫の代表作として名高い五言律詩です。安史の乱のさなか、反乱軍に占領された長安で、荒廃した都を前に戦乱を憂え、家族を案じる心を詠みました。
| 句 | 原文 | 大意 |
|---|---|---|
| 1・2句 | 国破山河在/城春草木深 | 国は破れても山河は残り、城下には草木が深く茂る |
| 3・4句 | 感時花濺涙/恨別鳥驚心 | 時世に感じては花にも涙し、別れを恨んでは鳥にも心驚く |
| 5・6句 | 烽火連三月/家書抵万金 | のろしは三月も続き、家族の手紙は万金にも値する |
| 7・8句 | 白頭掻更短/渾欲不勝簪 | 白髪をかけば一層短く、まるで簪もさせぬほどだ |
冒頭「国破れて山河在り」は、人の世の戦乱と変わらぬ自然とを対比した名句です。中間の頷聯(3・4句)・頚聯(5・6句)はきれいな対句になっており、律詩の規則を学ぶ教材として頻出します。
試験では 「国破れて山河在り」の解釈と、頷聯・頚聯が対句である点が問われる。安史の乱という時代背景、杜甫(詩聖)の社会派の詩風と結びつけて読む。