用語集
和漢混淆文わかんこんこうぶん
和語と漢語を混ぜて書いた文章。 平家物語のような軍記物語に多い。(発展)
和漢混淆文とは、和語(やまと言葉)と漢語(中国から伝わった言葉)を混ぜて書いた文章のことです。少しむずかしい言葉ですが、古典のリズムを知る手がかりになります(発展)。
| 文の中の言葉 | 種類 |
|---|---|
| 祇園精舎・諸行無常 | 漢語(かたく、おごそか) |
| 春の夜の夢・風の前の塵 | 和語(やわらかく、しみじみ) |
平家物語の冒頭は、この和漢混淆文の代表です。「祇園精舎の鐘の声(漢語)」と「春の夜の夢のごとし(和語)」が交ざり合うことで、おごそかさとはかなさが同時に伝わり、声に出すと七五調に近い心地よいリズムが生まれます。軍記物語に多く見られる文体です。
ポイント かたい漢語とやわらかい和語が交ざるのが和漢混淆文。平家物語を音読すると、二種類の言葉が生むリズムのよさが感じられます。
和漢混淆文は、和文(仮名中心の柔らかな文章)と漢文訓読体(漢語や漢文調の力強い言い回し)が入り混じった文体です。中世に発達し、軍記物語の文体として広く用いられました。
| 要素 | 特徴 |
|---|---|
| 和文の要素 | 仮名・優美な情緒表現 |
| 漢文訓読の要素 | 漢語・対句・力強い言い回し |
| 代表作 | 『平家物語』など軍記物語 |
『平家物語』は、和漢混淆文に音便の多い口語的なリズムが加わり、琵琶法師による語り(平曲)にふさわしい力強い文体を生んでいます。
ポイント 「和漢混淆文=軍記物語の文体」がキーワードです。平安期の優美な和文(『源氏物語』など)から、中世の力強い和漢混淆文(『平家物語』など)へという文体の変化を、文学の担い手が貴族から武士へ移った流れとあわせて押さえましょう。