用語集
恣意性しいせい
言葉の音 (シニフィアン) と意味 (シニフィエ) の結びつきに必然性がないという性質。 ソシュール記号論の中心命題。
恣意性(arbitrariness)とは、記号論で、言葉の音と意味の結びつきには必然性がないという性質を指します。ソシュールが言語の本質として示した中心命題です。
| 内容 | 例 | |
|---|---|---|
| シニフィアン/シニフィエ | 音や文字 | 「イヌ」という音 |
| シニフィエ | 概念 | 「四足の動物」 |
| 結びつき | 恣意的(必然性なし) | 同じ動物が英語では dog |
「イヌ」という音でなければあの動物を指せない、という必然性はありません。言語ごとに音が違うのは、音と意味の対応が社会的な約束事にすぎないからです。鳴き声をまねた語(オノマトペ)など一部の例外を除き、ほとんどの語は恣意的です。
ポイント 恣意的だからこそ、各言語が世界を独自のしかたで区切れます。たとえば虹の色数や親族の呼び名が言語ごとに違うのは、この恣意性の表れです。言語相対性とつなげて押さえましょう。